『どうしたら歯石はつきにくくなるの?』

こんにちは。 安城市の歯医者、安城ひがしやま歯科こども矯正歯科、院長の神谷明光です。

 

当院では歯周病治療、およびその後の予防歯科を重点に置いています。
その中の歯石取り、口の中のクリーニングは非常に重要です。
初診時はたいてい皆さんのお口の中はプラーク、歯石などで汚れていますので、基本的には治療に取り掛かる前にお口のクリーニングから行います。
プラークは歯磨きで落ちるくらいなので、割合に簡単に取れますが、歯石は歯ブラシでは取れません。
そこで歯科医院に来院して歯石を取ってもらうことになります。

そもそも歯石はどのようにしてできるかですね。
最初はプラークから始まります。
このプラークをブラッシングで除去しないで長いこと放っておくと唾液のカルシウム成分が沈着して歯石になります。
じゃあ、毎食後、毎日しっかり歯磨きをしているから歯石はつかないと、歯磨きの技術に自信のある方は思うかも知れません。
そういう自信のある方に限って、歯のすき間も気を付けてしっかりと磨いているはずなのに、どうして歯石として溜まってしまうのか不思議と思われておられる方は多いのではないでしょうか。

当院でも汚れの染め出しをしてプラークの残っている率が0%という人はめったいないんです。
また唾液の出口に近い下の前歯の裏側や、上の6歳臼歯の頬のところは唾液の成分が沈着して歯石が付きやすいのです。

その歯石、実はできる場所によって2種類あるのです。
歯石ができる仕組みは、歯ぐきの上にできるか下にできるかで異なるんです。

(a)歯ぐきの上にできる歯石
歯ぐきより上にできる歯石を「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」といいます。歯の裏側には唾液がでるところがあり、そこから出た唾液とカルシウム成分が結び付くことで歯垢が石灰化という、石のように固まる現象が起こります。これが溜まることで歯石となります。エナメル質でおおわれているツルツルとした歯の表面にできるので、比較的除去しやすい歯石です。
特徴は
色は黄白色、灰白色である。
プラーク(歯垢)が原因で、唾液によって石灰化する。
縁下歯石に比べると量が多く、形成が速い。
縁下歯石より軟らかく、比較的簡単に除去できる。
歯肉炎の原因になる。

(b)歯ぐきの下にできる歯石
歯ぐきより下にできる歯石を「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」といいます。
唾液と関係する歯肉縁上歯石とはちがい、歯と歯茎の間から染み出る浸出液というものとカルシウム成分が結び付き、歯垢などが石灰化し固まってできる歯石です。
歯ぐきの下にこびりついているため、除去するのが難しく、痛みもあります。
特徴は
色は黒褐色である。血液の成分を取りこんでできるためです。
歯肉からの出血が原因である。
歯肉溝滲出液が石灰化に強く関与している。
縁上歯石に比べると量は多くないが、かなり硬く、除去が困難である。
歯周病の原因になる。

いかがでしょうか。
歯垢が石灰化して歯石になるという基本形はどちらも同じです。
「やっぱり歯垢が固くなっただけじゃないか!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
歯垢というのは汚れだけではなく、90%以上が虫歯菌や歯周病菌といった細菌なのです。
細菌が固まってできているのが歯垢だと分かれば、それが固まったということが結構恐ろしいことだということがお分かりいただけるかと思います。

 

安城ひがしやま歯科こども矯正歯科
院長 神谷明光
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
第40回日本ティップエッジ矯正研究会
名古屋大会 大会長