こんにちは!安城の歯医者、安城ひがしやま歯科こども矯正歯科、院長の神谷明光です。
今回は、「歯の残存歯数って何?」についてお話をしていきます。
歯の残存歯数とは、「現在口の中に残っている健康な歯の本数」を指します。
この数は、個人の口腔健康状態を知るうえで非常に重要な指標です。
特に、高齢者においては、残存歯数が生活の質(QOL)や健康寿命に大きく関わるため注目されています。
この記事では、歯の残存歯数が何を意味するのか、その重要性、日本人の平均的な残存歯数、そして残存歯数を増やすための具体的な方法について、詳しく解説していきます。
目次
- 歯の残存歯数とは?
- なぜ歯の残存歯数が重要なのか?
- 日本人の平均残存歯数と世界との比較
- 歯の残存歯数を増やすための方法
- 高齢者における残存歯数の役割
- 日常生活で歯を守るためのポイント
- まとめ
- 歯の残存歯数とは?
歯の残存歯数とは、口の中に残っている歯の本数を数値化したものです。通常、大人は親知らずを含めて32本の歯を持っていますが、むし歯や歯周病、事故、加齢などで歯を失うことがあります。
歯科医療の分野では、この残存歯数を重要な健康指標として捉えています。
例えば、80歳時点で20本の歯を残すことを目標とする「8020運動」は、日本の歯科医療においても広く知られています。
この運動の背景には、歯が健康に残っていることが全身の健康や栄養摂取能力、さらには社会的活動にまで影響を与えるという事実があります。
- なぜ歯の残存歯数が重要なのか?
歯の残存歯数は、単に口の中の健康を示すだけでなく、全身の健康や生活の質(QOL)にも密接に関わっています。
噛む力と健康の関係
歯が多く残っていると、しっかりと噛む力が維持されます。これにより、消化がスムーズになり、栄養の吸収効率が向上します。特に高齢者では、噛む力が栄養不足や免疫力低下を防ぐ重要な要素となります。
認知症との関係
近年の研究では、残存歯数が多いほど認知症の発症リスクが低いことが示されています。噛む動作が脳への刺激となり、認知機能を保つ助けになると考えられています。
社会的影響
歯を失うことは、食事の楽しみが減るだけでなく、発音や見た目にも影響します。これにより、人前で話すのが恥ずかしくなったり、社会活動から遠ざかったりする原因にもなり得ます。
- 日本人の平均残存歯数と世界との比較
厚生労働省のデータによると、日本人の80歳時点での平均残存歯数は約15本です。これは8020運動の目標である20本には届いていませんが、改善傾向にあります。一方、スウェーデンなど予防歯科が発展した国々では、80歳以上でも20本以上の歯を持つ人が多くいます。この違いの背景には、予防歯科の意識や保険制度の違いが挙げられます。
- 歯の残存歯数を増やすための方法
歯の残存歯数を増やすためには、日々のケアが不可欠です。以下のポイントを実践することで、歯を守ることができます。
定期検診とプロフェッショナルケア
歯科医院での定期検診は、むし歯や歯周病を早期に発見するために欠かせません。また、専門的なクリーニングで歯垢や歯石を取り除くことも重要です。
フッ素ケア
フッ素はむし歯予防に効果的です。特に子どもの頃からフッ素塗布を行うことで、生涯にわたって健康な歯を維持しやすくなります。
正しいブラッシング
適切なブラッシング方法を身につけることで、歯垢の蓄積を防げます。歯科医院で自分に合ったブラッシング方法を学ぶと良いでしょう。
食事の工夫
砂糖の摂取を控え、カルシウムやビタミンDを豊富に含む食品を積極的に摂りましょう。
禁煙
タバコは歯周病のリスクを大幅に高める要因です。禁煙をすることで歯を守り、全身の健康も向上します。
- 高齢者における残存歯数の役割
高齢者の残存歯数が生活の質に与える影響は大きいです。歯がしっかり残っていることで、食事を楽しむだけでなく、認知機能や免疫機能の低下を防ぐことができます。また、歯が残っている高齢者は社会的活動に積極的である傾向があり、心理的な健康にも良い影響を与えるとされています。
- 日常生活で歯を守るためのポイント
歯を守るために、日常生活で意識したいポイントを以下にまとめます。
- 正しい噛み合わせを保つ
歯並びが悪い場合、矯正治療を検討しましょう。正しい噛み合わせは歯の寿命を延ばします。 - ストレス管理
ストレスがたまると、歯ぎしりや食いしばりの原因となり、歯にダメージを与えます。リラックスする時間を作りましょう。 - 運動習慣を取り入れる
全身の血流を良くすることで、歯茎の健康が向上します。ウォーキングや軽い運動を習慣化しましょう。
- まとめ
歯の残存歯数は、単なる数字以上に、全身の健康や生活の質を左右する重要な要素です。
歯科医院での定期的なケアを受けること、日々のブラッシングを怠らないこと、そして正しい生活習慣を心がけることで、生涯にわたり健康な歯を保つことが可能です。
この記事が、あなたの歯に対する意識を高める一助になれば幸いです。ぜひこれを機に、歯の健康チェックをしてみてください!
安城ひがしやま歯科こども矯正歯科
院長 神谷明光
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
第40回日本ティップエッジ矯正研究会
名古屋大会 大会長