『すぐ前歯の裏側に歯石が付く!』

こんにちは。 安城市の歯医者、安城ひがしやま歯科こども矯正歯科、院長の神谷明光です。

 

前回歯石についてお話しました。
気づいたときにはもう遅い!いつの間にかこびりついている歯石ですが、特に付着しやすい部分があります。
たいていは唾液腺の出口の近くの歯と歯ぐきの境によくつきます。
その付着しやすい部分のケアを入念にしておけば、歯垢が歯石になることを防げるかもそれません。

1,下あごの前歯の裏側
下の前歯の裏側を舌で触ってみるとよくわかります。
歯医者さんで歯石除去してもらったときは歯と歯のすき間の感覚があってすっきりした気分だったのに、数か月たったらもうすき間がない!?というような状態になったことはありませんか?
なんだか塊のようなものを舌で感じる、また下の前歯の舌触りが変わったという方もいらっしゃるでしょう。
この場所の近くで、下あごの前歯の裏側、舌の内側には唾液腺(舌下腺、顎下線)の開口部があります。
唾液は石灰化作用があるので、ここに歯垢が溜まっていると固まって歯石になりやすいのです。

2,上あご奥歯の表側
歯石と言えば歯の裏側というイメージを持たれておられる方が多いと思いますが、そのほかにも上あごの奥歯の頬側、表側にも歯石がつきやすいのです。この場所は唾液腺(耳下腺)の開口部があります。
そして、上あごの奥歯は歯ブラシがどうしても届きづらいところで、磨き残しが多いところでもあります。まさに、歯石をつくるのには絶好の場所というわけです。
ただ耳下腺唾液は舌下腺、顎下腺唾液よりサラサラしているので、歯石の付く量は多くありません。
でも油断していると大量につくことがあります。
その場所は意識して磨いていても、口を大きく開けるとあごの骨が邪魔をしていることがあり、歯ブラシの毛先が届きにくいことがあります。

3,出血しているところ
唾液や浸出液の作用で石灰化して歯石ができるとご説明しましたが、血液にも石灰化の作用があります。
食べ物での傷や、歯周病などで出血しているところがあれば、その周辺も歯石が溜まりやすいのです。
この歯石は割合に硬く、歯医者さんでも取るのに苦労します。
特に歯周ポケットの中にできるものはてきめんに歯周病を悪くする大きな原因になりますので気を付けてください。
しかし出血している部分を無理に磨こうとすると、痛みもありますし、傷をさらに傷つけてしまうことになるので、力を入れてゴシゴシと磨くことはやめましょう。
ブラッシングの力加減は難しいので歯医者さんで教えてもらうといいかと思います。

いかがでしょうか。
歯石はついてしまったらブラッシング(歯磨き)では取るのは難しいのです。特に黒い歯石はかなり困難を極めるので、歯医者さんでとるようにしてください。

 

安城ひがしやま歯科こども矯正歯科
院長 神谷明光
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
第40回日本ティップエッジ矯正研究会
名古屋大会 大会長