『唾の出が悪いけど、何か影響があるの?』

こんにちは。 安城市の歯医者、安城ひがしやま歯科こども矯正歯科、院長の神谷明光です。

 

最近は待ちでもマスクをしている方はかなり減ったのではないかと思います。

ただ、まだマスクをする機会はそれなりにあるのではないでしょうか?

マスクをしていると唾液が減少して、お口の中が乾燥しがちです。
しかしそれではお口、ひいては全身の健康に良くありません
今回は唾液について書きます。

唾液は性質上2つに分かれます。
一つは、アミラーゼを多く含むサラサラした漿液性の唾液
もうひとつはムチンを多く含む粘液性の唾液です。

また唾液腺は大きなものは3つあります。
耳下腺は最も大きい唾液腺です。
唾液の分泌量は2番目に多いです。

そしてサラサラした漿液性の唾液を分泌します。
顎下腺は2番目に大きい唾液腺ですが、分泌量は最も多く、漿液性と粘液性の両方の唾液を分泌します。

舌下腺はサイズも分泌量も一番少ないのです。そして粘液性の唾液を多く分泌します。
上の3つを三大唾液腺といいます。

その他に小唾液腺というものがあり、口唇腺、頬腺、臼歯腺、口蓋腺、前舌腺、後舌腺、エブネル腺があります。
場所はそれぞれ名前の付いているところにあるのですが、エブネル腺は舌根近くにあります。
唾液腺の分泌の割合は、顎下腺65%、耳下腺20%、舌下腺8%、小唾液腺7%です。

唾液の働き
実は唾液には複数のはたらきがあり、口腔環境だけではなく、全身の健康に欠かせない重要な要素なのです

1,消化を助ける
唾液には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。この働きによってデンプンを分解、消化を助けます。

2,食塊形成作用
そのままお口の中へ食物を入れると、ぱさぱさなことが多く食事ができません。
唾液で食物を湿らせて飲みこみしやすい食塊を形成する一助になっています。

3,洗浄作用
ものを食べるとどうしても食べ物のカスがお口の中に残りやすいです。それらのものや、細菌、そして歯に付着したプラークを洗い流し、お口の中を清潔に保ちます。

4,抗菌作用
口の中には多くの細菌がいますが、唾液内の成分に免疫作用のある成分があり、これが細菌の増殖を防ぎます。

5,粘膜を保護
唾液の潤滑作用により、食べ物を滑らかにしたり,粘り気を出して口の中の粘膜や舌が傷つかないようにしています。
口の中の粘膜を保護し、咀嚼や飲み込みを助けます。

6,お口の乾燥防止
お口の中が乾燥しているといがらっぽくなり、細菌などに感染しやすくなります。それで口の中を湿らせ、なめらかにし、発音をスムーズにします。

7,むし歯を防ぐ
唾液にはpH(酸性度)をカルシウムイオン、リン酸イオンなどで中和する作用があります。もの、特に糖分などを摂ると、口腔内が酸性に傾きます。これを中和して、脱灰を止め、なおかつ唾液中の成分が歯に沈着してむし歯になりかかった歯が再石灰化します。

いかがでしょうか。
このように唾液には、歯質の保持だけでなく体の健康に関わる様々な働きがあります。
よく噛むと唾液(だえき)がたくさん出ます。
逆に、ストレスや疲れ、加齢、薬の副作用、マスクの影響での口呼吸などで唾液の分泌量は減少することもあります。
噛む回数が多ければ、唾液は多くますので、よくものを噛んで全身の健康を保ちましょう。
また、睡眠中は、唾液の分泌が少なくなりますので、就寝前の歯磨きやうがいは忘れずに行いましょう。

 

安城ひがしやま歯科こども矯正歯科
院長 神谷明光
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
第40回日本ティップエッジ矯正研究会
名古屋大会 大会長