『親知らずは必ず抜かなくてはいけないの?』

こんにちは。 安城市の歯医者、安城ひがしやま歯科こども矯正歯科、院長の神谷明光です。

 

皆さん、親知らずと聞くと、ああ、汚れやすい歯、人にとってはいらない歯と思われるかもしれません。最近当院で親知らずの抜歯が多くなってきます。
では何で親知らずが生えてくるのかという疑問を持つでしょう。

親知らずは正式には第3大臼歯と言います。
実は形態学的にはこの歯は人類にとってはあってしかるべき歯なのです。
生物によってどんな歯が生えてくるか、また、歯の数は決まっています。ヒトの場合は上下左右合わせて本来なら32本なのです。
ヒトの祖先であるクロマニヨン人でもちゃんと32本の歯があるのです。
人=ホモサピエンスでは昔はちゃんと32本歯がしっかり生えていました。しかし進化とともに顎の大きさが小さくなっていったのです。それに伴って親しらずの生えてくる場所が狭くなってきました。そしてヒトによっては親知らずが生えてこない場合も出てきました。

原因は何か?
よく言われるのが軟食です。昔はコメなどは火で調理せず、そのまま食べていました。魚の骨もそのまま食べていたと考えられています。
よって噛む回数は50回ぐらいと考えられています。
現代ではそんなに硬い食べ物はなく、5~10回ぐらい噛んで飲みこんでしまいます。また食べ物独特の味で食べるのではなく、調味料でしっかり味付けされたものが出てきます。

それに付随して、最近歯並びの良くない子供さんが増えています。これも顎がだんだん小さくなってくる影響と思われます。

よって当院へ来られたお子さんで顎が小さいと思われる方にはものを噛む回数をものをよく噛むように「一口20回」というように指導しております。

本当は30回噛んでほしいのですが、現代人はそこまでかむ力が持たないようです。

さて話を親知らずに戻します。
歯並びで親知らずが生えるのに十分な人はきれいに上下32本生える人もあります。しかしやはりうまく生えずに親知らずが曲がって生えてしまう人も多々あります。
当院では下記の条件に合う人は親知らずを残す努力をしております
* ちゃんとまっすぐ親知らずが生えてきている。
* 親知らずまでしっかりはみがきができる。
この条件に当てはまらない人はすべて抜歯するというわけではありませんが(患者さんの大事な歯なので勝手に抜くことはしません)、曲がって生えている人でもしっかり歯磨きができていて周りが清潔で、他の歯やお口全体に影響を及ぼすでなければ残したいものです。
詳しくはご相談ください。

安城ひがしやま歯科こども矯正歯科
院長 神谷明光
公益社団法人 日本口腔外科学会 認定医
第40回日本ティップエッジ矯正研究会
名古屋大会 大会長